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by tanpopo-office

結婚紹介業は違法

フィリピン法に詳しい方から、フィリピン人との結婚に関する法的なガイドブックをいだききました。そのガイドブックの中に掲載されているフィリピン共和国法6955条には、フィリピン人女性を外国人男性に紹介する結婚斡旋事業はどのようなタイプのものであっても違法であると書かれています。

最近、会員数が増加しているインターネットを使った結婚斡旋クラブも違法です。また、フィリピン人女性との結婚を斡旋するようなチラシやパンフレットも違法です。

罰則も厳しく、違反した場合は懲役6ヶ月から8年、罰金は8,000ペソから20,000ペソです。1ペソは約2円ですから、罰金は16,000円から40,000円です。8000ペソあれば、1人暮らしで扶養家族がなければ1ヶ月間の生活費は賄えます。さらに結婚斡旋業に従事した外国人は、即刻国外追放になります。

しかし、日本では、フィリピン家族法の規定など関係ないように、インターネットで「フィリピン 結婚」などと検索すると、多くのサイトがヒットします。中には、女性の写真を大きく載せ、商品のように並べているサイトもあります。また、「65歳までは100%成功します」と、生活のために来日したい若いフィリピン人女性と、年齢の高い日本人男性との結婚を斡旋を宣伝しているサイトもあります。

フィリピン国内で就職するのはかなり難しく、またフィリピンは教育費が高いので、国内で就職できる学力を身につけるだけの教育を受けられる人は限られているという事情から、生活のために外国で就職するのは、フィリピンでは当たり前になっています。

一方、日本の入国管理法では単純労働での在留資格は認めていないために、コックさんなどの職人さんか、コンピュータ技術者などでない限り、就労ビザでの来日は難しいのです。したがって、日本で仕事をするために日本人男性と結婚するフィリピン人女性は多くいます。

多くの結婚斡旋業者が存在している背景には、こうしたフィリピン人女性の需要があります。そうしたフィリピン人女性の希望は、日本人より賃金が安くて済む若い労働力が必要な日本の企業の需要と一致します。

しかし、社会構造の問題があるからといって、男性が結婚相手をカタログを見て容姿で選ぶことがまかり通っているのは、日本の社会には結婚に対する基本的な倫理観が根付いていないといえます。日本の社会が、性に関する倫理観が希薄な社会であることを恥ずかしく思います。

ところで、フィリピン家族法で違反とされているのは、女性をカタログ販売している業者だけではなく、結婚斡旋業そのものが違法なのです。日本では、異性と出会う機会のない若い人がインターネットのサイトで、結婚相手を探すことはとても一般的に行われています。また新聞などで広告している結婚紹介業者に会員登録をして、結婚相手を紹介してもらうことも、とても一般的で健全な行為だと思われています。しかし、フィリピン家族法では日本で健全と考えれている業者の行為も違法です。

実は、結婚相手を探すことにいかなる形でも業者を介在させてはならないとするフィリピン家族法は、日本以外の国ではごく当たり前の道徳なのです。日本が特殊なのだということを私たちは認識する必要があると思います。結婚という行為を真に男女平等なものとなるように、日本の社会が変わってほしいなと思います。
by tanpopo-office | 2010-03-28 03:02 | 結婚